卒業論文詳細

学科メディア学科 ゼミ教員名竹内 幸絵 年度2024年度
タイトル「なぜ、ゴジラは現在まで戦争・核、災害イメージが強いのか」
内容 本研究に背景として、なぜ、戦争や災害の描写がゴジラ映画の中で必ず存在し、今でも同じ表象が作品やメディア(予告編や劇場パンフレット)の中でも行われ続けているのかが、自身の中で疑問となり研究する背景に至った。 ゴジラ一作目が第五福竜丸事件や世界大戦と結びつきが強いことは先行研究の中で述べられてきた。それに対して、果たして一作目の影響だけが現在にまで戦争、核描写が描かれ続けている理由なのか。と考え、本研究では劇中シーンを分析することで劇中の中で戦争や災害のイメージを形成させる表象や第一作目から製作され続けているメディア(予告編・劇場パンフレット)を分析し、イメージ形成の背景を読み解いた。
本論において、特に日本で大ヒットし、話題を呼んだ3作品「ゴジラ」、「シン・ゴジラ」、「ゴジラ-1.0」の劇中分析とメディア分析を行い、戦争・核の描写や制作者側からイメージが形成され続けている示唆があるのかどうかを分析した。
考察においては、映画側ではなく私たちの記憶や体験がゴジラ映画、ゴジラへのイメージに結びついているのではないかという仮説を軸に考察を行った。最後に、これからのゴジラ映画とまとめを行い本研究を締め括った。
講評 日本作品の『ゴジラ』に感銘をうけた筆者が、3つのゴジラ作品それぞれに強い災害イメージが、具体的にどのように描かれていたのかを調査し分析した。筆者の根底にあった興味は、1作目の第五福竜丸事件との関係の深さに以降の作品がどう影響されているのかを明確にしたいという点であった。研究は各作品の共通性と相違点を、第二次大戦、東日本大震災といった災害についてのシーン分析、予告編分析、収集したパンフレット等の周辺資料調査という3つの方法で抽出していく方法をとった。そしてメディアが創り出した想像の『ゴジラ』の恐怖イメージを、3つの作品はいずれも記憶の風化を防ぐアイコンイメージとして利用していると結論付けた。半期の留学を選択し帰国後は2学年のゼミに全力投球し駆け抜けた筆者の力作である。
キーワード1 ゴジラ映画
キーワード2 戦争や災害の描写
キーワード3 記憶と体験のイメージ
キーワード4
キーワード5