学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 竹内 幸絵 | 年度 | 2024年度 |
---|---|---|---|---|---|
タイトル | マス・メディアは展覧会の質を下げたのか -鑑賞者から見た展覧会の評価- |
内容 | 日本の美術展の主催は美術館の他に、新聞社やテレビ局のメディア企業が参入しており、共催という形で展覧会を運営していることが多い。この共催展はメディア側の力が大きく、展覧会の質の低下を引き起こすと危惧されている。しかし、マス・メディアが参入することで質の低下を体感することがなかった自身の経験上をもとに、展覧会の質とマス・メディアとの関連性について相関はないと考えた。 そこで、大阪中之島美術館館長に行ったインタビューをもとに展覧会の質を「主催者側が設定した展覧会のテーマが鑑賞者に伝わっているか」と再定義し、X上で展覧会がどのような評価をされていたのか検証を行った。 その結果、マス・メディアが主導で行った展覧会の評価ではテーマよりも作品を評価する偏りが見られたが、これにはサブタイトルの問題や「○○美術館展」という構造が展覧会のテーマよりも作品を目的とされやすい特性があるからと考察した。 |
---|
講評 | 美術展好きの筆者がメディア企業(主催)と学芸員の関りが、展覧会の質にどう影響しているのかの検証を試みた論文である。中心に置いた評価軸は、中之島美術館館長インタビューから導いた「なるほど、と思える展覧会」。筆者は「主催者が設定したテーマ性がいかに伝わったか」を展覧会の質の基準と位置付け、Xの声を収集し分析した。対象とした3つの展覧会に対する投稿内容の丁寧な読み込みがこの論文の醍醐味である。作品評価が高いのに展覧会評価が低いという結論となった「テート美術館展」も「比較鑑賞」の遡及でもっとテーマ性が伝わったのではないか、といった提言は、多くの美術展に足を運ぶ彼らしい。展覧会を(メディアとして)評価する研究は多く無い。前例が少ない中でXに着目したユニークな価値のある論文である。 |
---|
キーワード1 | 共催展 |
---|---|
キーワード2 | ○○美術館展 |
キーワード3 | テーマ評価 |
キーワード4 | |
キーワード5 |