卒業論文詳細

学科メディア学科 ゼミ教員名竹内 幸絵 年度2024年度
タイトルBtoB企業はなぜテレビCMを放映するのか ―5社の事例から見る狙い―
内容 本研究の目的は、2点ある。1点目は、BtoB企業がテレビCMを放映する理由や意図を明らかにすることだ。購買関与者が多層・組織的かつ顧客数が特定少数であるBtoB企業が、不特定多数の一般人が視聴するテレビCMを放映する狙いや目的は何であるのかが問題提起だ。2点目は、BtoB企業のテレビCMに有名人を起用することの効果や視聴者に与える印象について明らかにすることである。BtoC企業と比較して広告宣伝費が少ないBtoB企業が、なぜ大きなコストをかけてテレビCMに有名人を起用するのかが2点目の問題提起である。分析方法については、有名人を起用したテレビCMを放映するBtoB企業を、5社選定し、文字起こしやニュースリリースの分析、アンケート調査などを実施した。研究の結果、企業認知度向上や事業内容の理解、社会的価値の理解を促すことなど複数の狙いが明らかになった。また、有名人を起用したテレビCMの方が、視聴者に与える印象が強いことが明らかになった。
講評 特定少数の「組織」が購買者であるBtoB企業がなぜ不特定多数を対象とするテレビCMを放映するのか。2015年のBtoB広告にかかる先行研究を参照しつつ2025年の実際、特になぜ有名人を起用するのかに着目して調査分析した論文である。農機具や鉄鋼、電子部品メーカーなど5社を対象とし、ニュースリリース、CM(30秒)内に登場する企業名の回数、使われる言葉(貢献する、地域、カーボンニュートラル等)を分析した。サイト内の求人サイトへのリンクの有無など抜かりない目配りはスマートな筆者らしい。テレビCM研究だが、サイト内再生回数で有名人を比較するなどウェブでの波及効果など今日の多角的な広告メディア戦略をきちんと視野に入れている。先行研究から10年を経た環境下での新たな知見を提示する内容に仕上がった。
キーワード1 広告
キーワード2 BtoB企業
キーワード3 コーポレート・コミュニケーション
キーワード4 有名人
キーワード5 テレビCM