学科 | 教育文化学科 | ゼミ教員名 | 中川 吉晴 | 年度 | 2024年度 |
---|---|---|---|---|---|
タイトル | 西田幾多郎における「純粋経験ー自覚ー場所」の意識論 ーホリスティック教育における「気づき」との関係ー |
内容 | 本論文では、西田幾多郎の「自覚」を通して、ホリスティック教育における「気づき」を考察する。西田の「自覚」は西田哲学全体を捉えることのできる重要概念である。この「自覚」を広義の自覚とし、西田哲学前期から中期にかけての主要概念、純粋経験、自覚、場所を考察した。第1章では、西田の生涯と思想に触れ、純粋経験について論じた。第2章では、『自覚に於る直観と反省』に関して新カント学派の影響と絶対自由の意志をとりあげた。第3章では、「場所」(一般者)に関して、意識の階層論をとりあげた。西田の「述語の論理」から、意識が判断的一般者、自覚的一般者、叡智的一般者、絶対無の場所の4層から成ることを論じた。結論として、西田の「自覚」には「直観-思惟-意志-直観」の反復構造による意識の深化があることを明らかにし、それとホリスティック教育の気づき論を結びつけて検討した。 |
---|
講評 | 本論文は、西田幾多郎のいう「自覚」概念、すなわち、純粋経験、自覚と反省、場所に関する思想を吟味し、西田の思想体系が今日の「気づき」の議論に接合し、その内容を洗練させるものであることを論じている。また、西田哲学の独自の解釈として「直観-思惟-意志-直観」の反復構造を取り出して、意識の分化発展ないし深化過程を明らかにしていることは注目に値する。なお、その難解さで知られる『善の研究』『自覚に於る直観と反省』『働くものから見るものへ』『一般者の自覚的体系』といった西田の著作に挑戦したことは高く評価できる。 |
---|
キーワード1 | 西田幾多郎 |
---|---|
キーワード2 | 純粋経験 |
キーワード3 | 自覚 |
キーワード4 | 場所 |
キーワード5 | 気づき |