学科 | 教育文化学科 | ゼミ教員名 | 山田 礼子 | 年度 | 2024年度 |
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タイトル | 新移民の言語能力とアイデンティティの相関関係ー韓国系新移民の事例からー |
内容 | 今日、世界的に移住者の増加傾向が見られているが「新移民」に焦点を当てている先行研究は多くない。本研究は、新移民である筆者や友人の「バイリンガル・バイカルチュラルであることが逆に自己認識の揺らぎを引き起こす」という共通の経験から出発した。本稿での新移民は、児童期や青年期に日本へ移住した外国生まれの人々を指し、新移民のアイデンティティ形成と言語能力に及ぼす影響を、移住時期やバックグラウンドの違いから検討することを目的とする。 先行研究からは「移民」としてではなく「外国人労働者」と位置づけられる日本の政策や、言語が文化やアイデンティティ構築に果たす役割について検討する。本稿では韓国系新移民5名を対象に行ったインタビュー調査を通じて、アイデンティティや言語能力の相互関係を多文化環境や異文化接触の観点から移住時期がアイデンティティ形成や言語能力に与える影響を比較す る。 |
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講評 | 米国等では、移民1.5世(新移民自身やその子供)の研究が多く蓄積されており、またアジア系でも、日系、韓国系、中国系、東南アジア系などの研究の多様性もある。一方、日本では、中国系の移民2世や日系ブラジル人の子女に関する研究は多いが、在日ではない韓国系の新移民に関する研究はほとんど蓄積されているとはいえず、その意味でも貴重な研究であるといえる。特に、言語に焦点を当てていることが、本卒論の意義を深めていると思う。もちろん、文化の差異、家族等々にも焦点を当てられるが、数少ない事例の中で、どこに焦点化するということが明確でない限り、内容が拡散されてしまうという危険性がある。その点、言語に焦点を当てているため、興味深い知見が得られている。 |
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キーワード1 | 新移民 |
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キーワード2 | アイデンティティ |
キーワード3 | 言語能力 |
キーワード4 | |
キーワード5 |