学科 | 産業関係学科 | ゼミ教員名 | 上田 眞士 | 年度 | 2024年度 |
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タイトル | 労働組合と若者の壁 |
内容 | 本論文では、近年進む労働組合活動の衰退(組織率の低下や組合数の減少)に対し、文献の調査や過去に行われたアンケート調査を分析しながら、日本の雇用環境や労働者が抱える課題を明確にし、労働市場における問題点の改善や組合活動を再興する手段を考察するものである。 20代や大学生に向けたアンケート調査を分析した結果、若者の労働組合に対する否定的な認識は散見されなかった。加えて、労働組合に対する認知度が深まるにつれて、労働組合のことを必要だと考える若者が多いと判明した。以上の結果から組合や労働に関する知識(ワークルール)が若者に浸透しないことが原因で、組合活動への理解が進まないと考察した。この原因については日本の受験を優先した勉強環境にあり、ワークルールを学ぶ機会が不足し、労働の知識が不十分なまま社会に出て労働する若者が多いと推測した。 この現状に対し、日本労働弁護団を中心としたワークルール教育を普及させる取り組みが展開されており、法整備やワークルールを資格化する動きも存在する。ワークルール教育の普及によって若者の組合活動への理解が深まれば、再び労働組合は活力を取り戻すだけでなく、労働環境の改善にも繋がることが期待される。 |
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講評 | 皆さんの卒論のテーマを順不同で列挙すると、「若年非正規労働者が声を上げるには」「副業のメリットと現状の制度における課題」「男性育休推進をめざして」「CSRという概念の理解」「就職活動と雇用形態の関係性」「労働組合と若者の壁」「過小評価されるエッセンシャル・ワーカーの実態」「長時間労働の是正に向けて」「生成AIと営業職の可能性」「キャリア形成のためにすべきことを、コンサルと労働者の両面から考える」というのが、その一覧です。たしかに個々の論文を取り上げれば、その出来映えには精粗や優劣もあったように思います。けれども、テーマ発表から要綱発表、中間報告へと続いた一連の進捗管理にゼミ生皆が真面目に取り組んでくれた。その成果が現れているのだと積極的に受け止めています。そこでここでは、研究活動をめぐって私が大事だと考える要点を指摘して、それを皆さんに向けた贈る言葉、卒論作業を締め括る講評としたいと思います。 それは「わかりたい」という気持ち、「理解する」という作業を一番大切にして欲しいということです。そして、そのためには、一つには労働問題や社会的課題を取り上げるなら、問題の「現場」へと肉薄していく努力を大事にしてもらいたいということです。それは研究活動に限らず、日常の仕事の過程にもあてはまる、現場主義の基本姿勢だと思います。またいま一つには、貪欲に読書することが必要だということです。曖昧模糊としていた問題意識も鮮明にすることになりますし、課題の掘り下げも深まることになります。そして、その過程を通じて、皆さんの知的な体力を涵養することにも繋がります。やはり同じく、研究活動に限らず日常の仕事の過程にも通じる、基本的な心構えだと思います。あらかじめ役立つこと、目的地を定めた活動も大事です。けれども、私は安易に処方箋を書く前に、先ずは「理解する」という営みを、皆さんには今後も大切にしてほしいと考えています。 |
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キーワード1 | 労働組合 |
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キーワード2 | 組織率 |
キーワード3 | 若者 |
キーワード4 | 非正規雇用 |
キーワード5 | ワークルール教育 |