学科 | 産業関係学科 | ゼミ教員名 | 上田 眞士 | 年度 | 2024年度 |
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タイトル | 過小評価されるエッセンシャル・ワーカーの実態 ——保育士業界から考える—— |
内容 | 本論文は、エッセンシャル・ワーカー、とりわけ保育士の現状に対して、文献や過去に行われた調査をもとに分析し、その課題を明確にした上で、「エッセンシャル・ワーカーの過小評価」の全容解明に取り組んだものである。 新型コロナウイルス感染症のパンデミック以降、「エッセンシャル・ワーカー」という言葉が一般化し、社会に不可欠な仕事であるという点において高い社会的評価を受けている。しかし、その一方で、低賃金や過酷な労働環境などの市場的評価に関しては不当に低い扱いを受けているという問題点も浮き彫りとなった。特に、保育士という仕事は、賃金水準の低 さや労働条件の厳しさ、人手不足、社会的評価の低さなど、数多くの課題を抱えている。 我々が「当たり前」だと思っているエッセンシャル・ワークの仕事が、公共サービスを安定的・継続的に提供していく体制としてはいかに脆弱なものになってしまっているかを認識しなければならない。エッセンシャル・ワークに対しての認識を改め、低い市場的評価を是正していくことが、非常事態に左右されない持続可能な社会の構築に不可欠である。 |
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講評 | 皆さんの卒論のテーマを順不同で列挙すると、「若年非正規労働者が声を上げるには」「副業のメリットと現状の制度における課題」「男性育休推進をめざして」「CSRという概念の理解」「就職活動と雇用形態の関係性」「労働組合と若者の壁」「過小評価されるエッセンシャル・ワーカーの実態」「長時間労働の是正に向けて」「生成AIと営業職の可能性」「キャリア形成のためにすべきことを、コンサルと労働者の両面から考える」というのが、その一覧です。たしかに個々の論文を取り上げれば、その出来映えには精粗や優劣もあったように思います。けれども、テーマ発表から要綱発表、中間報告へと続いた一連の進捗管理にゼミ生皆が真面目に取り組んでくれた。その成果が現れているのだと積極的に受け止めています。そこでここでは、研究活動をめぐって私が大事だと考える要点を指摘して、それを皆さんに向けた贈る言葉、卒論作業を締め括る講評としたいと思います。 それは「わかりたい」という気持ち、「理解する」という作業を一番大切にして欲しいということです。そして、そのためには、一つには労働問題や社会的課題を取り上げるなら、問題の「現場」へと肉薄していく努力を大事にしてもらいたいということです。それは研究活動に限らず、日常の仕事の過程にもあてはまる、現場主義の基本姿勢だと思います。またいま一つには、貪欲に読書することが必要だということです。曖昧模糊としていた問題意識も鮮明にすることになりますし、課題の掘り下げも深まることになります。そして、その過程を通じて、皆さんの知的な体力を涵養することにも繋がります。やはり同じく、研究活動に限らず日常の仕事の過程にも通じる、基本的な心構えだと思います。あらかじめ役立つこと、目的地を定めた活動も大事です。けれども、私は安易に処方箋を書く前に、先ずは「理解する」という営みを、皆さんには今後も大切にしてほしいと考えています。 |
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キーワード1 | エッセンシャル・ワーカー |
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キーワード2 | 保育士 |
キーワード3 | 過小評価 |
キーワード4 | やりがい |
キーワード5 | 社会的評価と市場的評価の乖離 |