卒業論文詳細

学科産業関係学科 ゼミ教員名上田 眞士 年度2024年度
タイトル男性育休推進を目指して ——取得率向上を拒む障壁は何か——
内容  現在、男性育休は国を挙げて推進されていて、徐々にではあるが取得率は向上しつつあるが、それでも取得率は依然として低いままである。また、取得期間は圧倒的に短い状態である。本論文ではこれを問題点としてとらえ、障壁を明らかにしたうえで、改めて必要性を訴えることを目的としている。また、男性育休を実りあるものとするために、”取るだけ育休”、つまり育児休業を取得しても家事育児を行わない男性が存在することへの懸念について、その実態と男性の心理、対策についてまとめる。
 男性が育児休業を取得することによって、パートナーの女性は一人で家事育児をする必要がなくなり、キャリアをあきらめずに済む。企業は、欠員が出る職場を管理職がどのようにマネジメントするか学ぶ機会となり、また労働者が望む働き方を選べることによって労働者のストレスが減り、モチベーション向上につながる。さらに、社会では、男性が育児に主体的に参加することで、性別役割分担意識が解消され男女ともに子育てしやすい社会の形成につながる。男性だけでなく女性や企業・社会にも好影響を与える男性育休の普及は必要である。
講評  皆さんの卒論のテーマを順不同で列挙すると、「若年非正規労働者が声を上げるには」「副業のメリットと現状の制度における課題」「男性育休推進をめざして」「CSRという概念の理解」「就職活動と雇用形態の関係性」「労働組合と若者の壁」「過小評価されるエッセンシャル・ワーカーの実態」「長時間労働の是正に向けて」「生成AIと営業職の可能性」「キャリア形成のためにすべきことを、コンサルと労働者の両面から考える」というのが、その一覧です。たしかに個々の論文を取り上げれば、その出来映えには精粗や優劣もあったように思います。けれども、テーマ発表から要綱発表、中間報告へと続いた一連の進捗管理にゼミ生皆が真面目に取り組んでくれた。その成果が現れているのだと積極的に受け止めています。そこでここでは、研究活動をめぐって私が大事だと考える要点を指摘して、それを皆さんに向けた贈る言葉、卒論作業を締め括る講評としたいと思います。
 それは「わかりたい」という気持ち、「理解する」という作業を一番大切にして欲しいということです。そして、そのためには、一つには労働問題や社会的課題を取り上げるなら、問題の「現場」へと肉薄していく努力を大事にしてもらいたいということです。それは研究活動に限らず、日常の仕事の過程にもあてはまる、現場主義の基本姿勢だと思います。またいま一つには、貪欲に読書することが必要だということです。曖昧模糊としていた問題意識も鮮明にすることになりますし、課題の掘り下げも深まることになります。そして、その過程を通じて、皆さんの知的な体力を涵養することにも繋がります。やはり同じく、研究活動に限らず日常の仕事の過程にも通じる、基本的な心構えだと思います。あらかじめ役立つこと、目的地を定めた活動も大事です。けれども、私は安易に処方箋を書く前に、先ずは「理解する」という営みを、皆さんには今後も大切にしてほしいと考えています。
キーワード1 男性育休
キーワード2 女性活躍
キーワード3 男女共同参画
キーワード4
キーワード5