学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 佐伯 順子 | 年度 | 2024年度 |
---|---|---|---|---|---|
タイトル | 『もののけ姫』における女性表象 |
内容 | 今日のメディアにおける女性表象は多様化している。その中でも、日本のアニメ文化を象徴する宮崎駿監督の作品に登場する女性キャラクターは、強さと独立性を持ち、物語の核心を担う存在として印象的である。1997年公開の『もののけ姫』では、サンをはじめエボシ御前やタタラ場の女たちが、従来のメディアにおける女性像を超える先駆的な役割を果たしている。本論文では、当時革新的な女性像を描いたと言われる『もののけ姫』を対象に、映像分析を行うとともに、当時の女性ステレオタイプや社会背景にも触れる。そして、本作品が「いかにしてメディアにおける女性表象を再定義したのか」、「どのような社会に影響を与えたか」を明らかにした。その結果、『もののけ姫』が1990年代の日本社会における女性の地位や役割の変化を反映し製作されたことにより、女性表象の革新性と限界を併せ持つ作品であることがわかった。さらに、本作品が社会のジェンダー意識の向上や女性の社会進出を促す文化的役割を果たした一方で、当時の社会の過渡期を象徴する作品でもあることがわかった。 |
---|
講評 | 本論文は、メディアにおける女性表象を、宮崎駿アニメを通して考察した。特に『もののけ姫』の女性像に焦点をあて、登場する女性たちが、精神的な自立性や自己主張をそなえ、アニメが革新的な女性像を描いていることを明らかにした。印象論ではなく、具体的な映像表象分析を通じて、実証的に議論を展開した本論文は、メディアとジェンダー研究の分野において、意義のある成果をあげた。 |
---|
キーワード1 | スタジオジブリ |
---|---|
キーワード2 | 宮崎駿 |
キーワード3 | もののけ姫 |
キーワード4 | 女性表象 |
キーワード5 | 女性ステレオタイプ |