卒業論文詳細

学科社会福祉学科 ゼミ教員名木原 活信 年度2024年度
タイトル高齢者施設での仏教福祉思想のあり方とその影響―仏教から考える看取りについて―
内容  本論文は、2025年に団塊の世代が後期高齢者になることにより、高齢者施設の数が増え施設内で最期を迎える利用者が増えることが考えられる。この様な実態をふまえて、施設における仏教福祉のあり方とその影響について聖徳太子と行基から捉え、仏教から看取りケアについて考え、具体的な支援策として、葬式、五輪塔の設置について検討した。また、施設での調査を行い、ビハーラ活動や施設内での葬儀などを通じて利用者の心理的な痛みを緩和するだけでなく、自分にとっての死について一緒に考えるきっかけにもなることが明らかになった。利用者だけでなく支援者も共に考え、成長していこうとする福田思想に基づいた施設経営についてと看取りケアの方向性を示した。
講評 本論文は、高齢者施設における仏教福祉の思想とその影響を、聖徳太子や行基の考えに基づいて議論したものである。仏教的な視点から看取りケアの意義を考察し、葬式や五輪塔、ビハーラ活動、施設内での葬儀などを通じて、利用者の心理的な痛みを緩和し、死について考える機会を提供することの重要性を明らかにした点は評価に値する。また、利用者だけでなく支援者も成長を促される福祉思想に基づいた施設運営の方向性を示した点が独創的である。自身の実習経験を活かし、仏教を取り入れた高齢者施設での具体的な事例に基づいて議論を展開した点は高く評価できる。今後、実践の中で批判的思考を取り入れ、さらに課題を深掘りしていくことが望まれる。
キーワード1 仏教福祉思想
キーワード2 終末期支援
キーワード3 スピリチュアルケア
キーワード4 高齢者施設
キーワード5