学科 | 社会福祉学科 | ゼミ教員名 | 木原 活信 | 年度 | 2024年度 |
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タイトル | 障害者雇用代行ビジネスの現状と課題についての一考察―「差別禁止」と「合理的配慮」の視点から― |
内容 | 本論文では、障害者雇用代行ビジネスの実態について捉え、差別禁止と合理的配慮の視点から、現在の障害者雇用代行ビジネスの課題を分析・考察したものである。2013年の障害者雇用促進法の法改正により、差別禁止と合理的配慮が規定され、障害者の労働及び雇用における質的側面の改善がなされた。しかし、近年、障害者雇用代行ビジネスが増加していることから、質的改善が行われていないという指摘が取り上げられている。そこで、差別禁止と合理的配慮の視点から、障害者雇用代行ビジネスの現状と課題を分析した結果、①就業場所、②業務内容、③経営方針、④利用企業と事業所との関係において、多様な課題があることが明らかとなった。また、社会連帯という理念に基づいた障害者雇用率制度では、その実施主体が事業主で、対象が障害者であることから、障害者の視点からの差別と求めている配慮などが反映されにくいという背景があることを示すことができた。 |
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講評 | 本論文は、障害者雇用代行ビジネスの実態を取り上げ、それを差別禁止と合理的配慮の視点から精査したものである。社会連帯という理念価値体系に基づく障害者雇用率制度が、実施主体が事業主、対象が障害者であるという構造上の制約によって、障害者の視点を十分に反映できていない点を問題として指摘した点は重要な意義を持つ。また、自身の言葉で論点を精緻に整理し、論証を行った点も評価できる。今後、先行研究の成果を単に整理するに留まらず、批判的思考を通じて独自の研究課題を深めていくことが期待される。 |
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キーワード1 | 障害者雇用代行ビジネス |
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キーワード2 | 障害者雇用促進法 |
キーワード3 | 法定雇用率 |
キーワード4 | 差別禁止 |
キーワード5 | 合理的配慮 |