学科 | 社会福祉学科 | ゼミ教員名 | 木原 活信 | 年度 | 2024年度 |
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タイトル | 女性支援法から見た性風俗で働く女性の表象―「性の被害者」という視点への批判的検討― |
内容 | 2024年4月から困難な問題を抱える女性への支援に関する法律(以下、女性支援法)が施行された。従来は旧売春防止法(以下、旧売防法)を根拠に女性保護事業が展開されてきた が、複合的なニーズに対応するため新しく女性支援法が制定された。しかし、女性支援法は 「セックスワーカーへの差別や偏見の助⻑を危惧する」といった懐疑的な意見が性風俗で 働く当事者団体から生じている。 そこで本研究では、女性支援法の制定過程における構成員たちの言説を、批判的ディスコ ース分析を用いて分析し、「性風俗で働く女性」は「性の被害者」とする捉え方が構成員の 一定の総意であり、そして、最終的に上記の認識を社会的影響力のある次元まで押し上げて いることを明らかにした。 |
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講評 | 本論文は、女性支援法は「セックスワーカーへの差別や偏見の助長を危惧する」といった懐疑的な意見が性風俗で働く当事者団体から生じている点を議論したものである。既存の枠を超えて自分の言葉でよく調べて自分の考えが批判的思考でしっかりとまとめられていた。その中で、女性支援法の制定過程における構成員たちの言説を丹念に緻密に分析し、潜在的に持っている性風俗で働く女性に対する認識を明らかにしたことは独創的であり、一つの新しい発見となった。性風俗で働く女性を「性の被害者」として認識する枠組みに注目し、その背景を構成員の言説から引き出し、社会的影響力を持つまでに至る経緯を明確にした点は評価できる内容であった。今後はさらなる研究の深化と、政策や社会実践への具体的な応用が期待される。 |
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キーワード1 | 困難な問題を抱える女性 |
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キーワード2 | 女性支援法 |
キーワード3 | 性風俗で働く女性 |
キーワード4 | セックスワーク |
キーワード5 | 売春防止法 |