学科 | 社会福祉学科 | ゼミ教員名 | 木原 活信 | 年度 | 2024年度 |
---|---|---|---|---|---|
タイトル | 非行歴のある少年への関与―立ち直りに必要な資源とは― |
内容 | 本論では非行・犯罪をした成人前後の者が、処遇や支援を通していかにして立ち直るか、公的な支援なしにでも自分の生き方を見いだせるようになるために有効な方策を提案した。現行の司法制度では処遇が始まると、生活を統制される不自由さはありながら、一時的には生活の場が確保される。しかし、一定期間の処遇を終えるとそれまでの生活とは一変、地域社会では特異な元犯罪者として見られる、日常のほとんどを自己判断で行動しなければならないなど、様々な困難が待っている。そこで、いつでも心身を癒やされる居場所が必要であるのは言うまでもない。この「居場所となり得るものは何か」を問いとし、坂上香の文献から「サンクチュアリ」という概念を取り上げた。他者に打ち明けられなかった過去を赤裸々に話し、対話によって気づきを得る「サンクチュアリ」の考えは、そのピア意識の形とともに立ち直り支援の実践に応用されるべきであると結論づけた。 |
---|
講評 | 本論文は、非行・犯罪をした成人前後の者が、処遇や支援を通していかにして立ち直るか、公的な支援なしにでも自分の生き方を見いだせるようになるために有効な方策を一貫して議論した内容である。これらの複雑な問いを、坂上香の先行研究をヒントに「サンクチュアリ」という概念を援用して議論した点がユニークである。当事者がいつでも心身を癒やされる「居場所となり得るものは何か」を問いに拘った議論である。「サンクチュアリ」という概念を通して、当事者が他者に打ち明けられなかった過去を、ピア意識で立ち直り支援の実践に応用されるという点にこだわって、それを焦点づけてしっかりと議論できたことは評価できる。臨床場面の中でさらに研究を続けていくことで十分な成果が得られる可能性を感じさせる内容である。 |
---|
キーワード1 | 立ち直り |
---|---|
キーワード2 | 居場所 |
キーワード3 | 非行 |
キーワード4 | |
キーワード5 |