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昨今の社会状況の変化から1980年代にOldenburgが提唱したサードプレイスと比較して、現代のサードプレイスがどのような進化を遂げて、人々の幸福感に影響を及ぼしているのだろうか。
コロナ禍当時、自由に外出できなかったことから精神的に不安定な人が増加していた。影響を受けた学生へのインタビューを行うとサードプレイスが自分の居場所として孤独感の解消や生活にゆとりをもたらしていることが分かった。
1980年代と変わらず共通しているのは自分の居場所を見つけることによって生活の中でのストレスを軽減し、心身の健康や幸福を支えるうえで重要な役割を果たしていることだった。反対に異なる点として、デジタル化が急速に発展したことから「個人作業」のための場所としてサードプレイスを利用している人が増加していることが挙げられる。そしてこのような需要の変化に伴い、近年ではサードプレイス空間の工夫やセカンドプレイスとの融合が注目されている。
サードプレイスが人々の幸福度や心身の健康にポジティブな影響を与えていることが明確になった一方で、誰もがサードプレイスを見つけ出せるような環境づくりが必要不可欠であり、今後の課題でもあるだろう。 |