卒業論文詳細

学科社会学科 ゼミ教員名尾嶋 史章 年度2024年度
タイトル高校生の学歴意識構造
内容  日本は一般的に学歴社会であると考えられており、最終学歴が年収、地位や昇進の機会等を決める要因にもなっている。高校生はこの「学歴社会」について、どのような考えを持っているのか。
学歴に関する考え方を表す言葉である「学歴意識」をキーワードとし、彼らの学歴意識は何を元にして形成されるのかを明らかにすることを本稿の目的とした。
「高校生の進路と生活に関する調査」(2022〜24)のデータを元に、学歴と実力の関連性、学歴と収入の関連性、学歴重視風土の存在の3点について、高校生がそれぞれどう考えているのか、
境遇の違いによってその考えに違いは出てくるのかを分析した。結果として性別、中学時代の成績、学校タイプ、進路希望、親の最終学歴など複数の要素が学歴意識の形成に関与していた。
中でも職業科に在籍していること、親が専門学校卒であることによって学歴意識に特徴的な影響が表れることが分かった。
講評  本論文は、高校生の抱く学歴社会イメージを学歴観・学歴意識から検討した論文である。
高校3年生の調査を用いて、「学歴=実力」「高学歴≠高収入」「学歴重視の風土の残存」の3つの質問について、在籍する学校タイプ、学業成績、卒業後の進路希望、親学歴との関係からその特徴に迫ろうとした。
この結果、学歴意識とこれらの諸変数との間には一定の関連はみられたが、ごく限られた親学歴との関係を除いて関連は弱い。これらの質問に対する肯定的な回答も多いことを考えると、高校生の中には漠然としたものだが
学歴社会像が広く存在することになる。この個々の差異を超えて存在する彼らの持つ共通した学歴社会イメージを検討できれば、論文としてのまとまりができたと考えられる。
キーワード1 学歴意識
キーワード2 高校生
キーワード3
キーワード4
キーワード5