学科 | 社会学科 | ゼミ教員名 | 尾嶋 史章 | 年度 | 2024年度 |
---|---|---|---|---|---|
タイトル | 職業希望の性別分離を形成する要因 |
内容 | ジェンダー平等が掲げられ法的整備が進む中でも女性の社会進出が諸外国に比べていくつもの点で遅れていると日本はしばしば指摘される。 職業の性別分離もその一つと言って良いだろう。そして、その要因の1つとしては学生の時点で既に職業希望の性別分離が見られることが考えられる。 本稿ではそうした職業希望の性別分離について、ジェンダー・トラックとアカデミック・トラックそして学内成績を用いて分析を行った。 なお、ここでいうジェンダー・トラックとは性役割観に基づく進路選択の機会と範囲の制約を生み出す学校差のことである。 結果として、どの分析でも女子の職業希望への影響が強く見られた。 また、最も影響を与えていたのはアカデミック・トラックであり、ジェンダー・トラックや学内成績はこれに付随して機能していた。 これらの要素により女子の職業希望が水路づけられえることで性別分離が生み出されていた。 ただし、これらの要素が女子に対して強く働く要因については言及できておらず、今後の研究課題となっている。 |
---|
講評 | 本論文は、高校生の職業希望を、性別職業分離が生じている労働市場状況を踏まえて、各高校をアカデミック・トラック(学業成績)とジェンダー・トラック(性役割観)の交差の中に位置づけ、それが職業希望の性別分離形成にどのように関わるかを検討した。 分析の結果、特に女性生徒の職業希望にこの両者が関わることが明らかになった。 進学と関係してアカデミック・トラックがまず女性生徒の職業希望形成において「女子向き」希望の形成に寄与し、さらにそれにジェンダー・トラックが関わる構造になっていた。 先行研究を踏まえたうえで仮説を構成し、丁寧なデータ分析を積み重ねることによって職業希望の性別分離形成を明らかにした点は高く評価できる。 |
---|
キーワード1 | ジェンダー・トラック |
---|---|
キーワード2 | 性別分離 |
キーワード3 | 職業希望 |
キーワード4 | |
キーワード5 |