学科 | 社会学科 | ゼミ教員名 | 板垣 竜太 | 年度 | 2024年度 |
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タイトル | デジタルネイティブ世代中学生の将来構想形成 ―SNS 利用と小学校期からの夢の変容に見る多元的価値観― |
内容 | 近年、日本の若年層は将来への希望が他国よりも低く、「夢を持たない若者」として語られがちである。 本研究は、デジタルネイティブ世代である中学生を対象に、SNS 利用が彼らの将来構想や夢への志向形成にどのような影響を与えるかを探った。 調査結果から、中学生が抱く夢や将来像が小学校時代に比べてより抽象的かつ多様化していることが明らかとなった。性別、家庭環境、SNS の利用状況など、さまざまな要因がそれぞれ異なる影響を与えており、子どもの頃には具体的な職業に強い憧れを抱いていたが、中学段階では多様な価値観やライフスタイルを模索する傾向が見られるようになった。また、SNS は多面的な情報やロールモデルとの接触を可能にし、「幸せに生きたい」といった抽象的な将来像の形成を促進している。 これらの知見は「夢がない」と単純化できない、複雑で流動的な現代中学生の将来観の存在を示し、若者支援には多面的理解が不可欠であることを示唆している。 |
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講評 | 近年、「夢」がないと言う子どもが増えているという調査結果が出ており、話題にもなっている。では、ティーンエイジャーたちは、将来についてどのような影響を誰から受けつつ、自らの「夢」を形成しているのか。本論文は、関西圏の中学生約100人への質問紙調査および補充的なインタビュー調査にもとづき、さまざまな角度から、「夢」の形成と変化のプロセスと要因を分析しようと試みた。記述と記述のあいだのつながりが弱い箇所が多く、さまざまな分析が羅列されている印象をもつものの、扱いの難しい中学生の調査をおこない、周囲のロールモデルの影響を受けつつも、SNS等で情報収集しながら、抽象的であっても流動的で柔軟性のある将来構想を形成している生徒たちの姿を描いた点は評価したい。 |
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キーワード1 | 中学生 |
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キーワード2 | 夢の変遷 |
キーワード3 | 将来構想 |
キーワード4 | |
キーワード5 |