卒業論文詳細

学科社会学科 ゼミ教員名板垣 竜太 年度2024年度
タイトル若年女性のダイエット意識とその要因 ――身体満足度・自尊感情・情報行動の積極性との関わりから――
内容 本論文では若年女性のダイエット意識の要因について、身体満足度と自尊感情の低下、情報行動の積極性を独立変数とし、アンケート調査とインタビュー調査を用いてそのメカニズムを分析した。まず明らかになったのは、身体満足度の中でも他人基準による身体満足度がダイエット意識を促し、その他人基準の考え方は自尊感情の低さからくるということ、また自尊感情の高低は身体満足度に大きく影響を受けているということである。相関係数やクロス集計でも身体満足度と自尊感情の関連は見られたが、インタビュー調査においてもこの2つの関連は顕著にみられ、双方に影響を及ぼし合っているということが明らかになった。また情報行動の積極性について、アンケート調査では関連が強くみられ、メディアによる影響の大きさは確認できたが、インタビュー調査にて、元々持っているダイエット意識によって接触するメディアもその頻度も変わるということが分かり、メディアが持つのは限定効果であるということが明らかになった。これまでの研究とは違ってインタビュー調査を用いたことで、ダイエット意識と各変数の関連について、傾向だけでなくそのメカニズムも明らかにすることができた。
講評 若年女性のダイエット志向や痩せ志向についての社会学的な研究である。摂食障害傾向やダイエット意識に関する先行研究にもとづきながらも、メディア情報の影響力の評価などを加えるとともに、質問紙調査では見えにくい部分をインタビュー調査によって補完した。統計の扱い方に不慣れな部分が見られるものの、全体的にはしっかりと書かれており、メディア情報の効果が限定的であることや、自尊感情、身体満足度、ダイエット意識の関係についてのより明瞭な説明を得ていることなど、興味深い知見が得られた。
キーワード1 ダイエット意識
キーワード2 若年女性
キーワード3 身体満足度
キーワード4 自尊感情
キーワード5 情報行動の積極性