学科 | 社会学科 | ゼミ教員名 | 板垣 竜太 | 年度 | 2024年度 |
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タイトル | 時代とともに移り変わりゆく天皇観 ――NHK放送文化研究所世論調査部「日本人の意識調査」をもとに―― |
内容 | 皇室は世界最古の歴史を持ち、日本の歴史と文化の象徴である。しかし、近年は皇室を取り巻く環境の変化や価値観の多様化を受けてその意義や役割が再考されはじめている。本論文は、天皇観の変遷に焦点を当て、NHK放送文化研究所世論調査部が実施した「日本人の意識調査」のデータをもとに2次分析を行った。天皇観と個人の属性や価値観の関係について分析した結果、天皇観は個人の属性や価値観で差異が見られ、性別や年齢といった個人属性だけでなく、宗教的価値観や政治的価値観、仕事観など個人の持つさまざまな価値観も天皇観と関係していることが明らかになった。そしてその要因や背景について、日本のジェンダー意識や社会構造、皇室との関わりの多さなどが影響していると考えた。また本調査を通して、特に若年層に皇室に対して無関心が多いことが課題として浮き彫りになった。皇室に関心が低い若い世代への皇室に関する情報発信は皇室の未来にとって重要な課題である。 |
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講評 | 天皇および皇室に関する認識は時代とともに変化するし、日本社会のなかでも一様ではない。本研究は、NHK放送文化研究所が実施した「日本人の意識調査」を2次分析することによって、その具体的な様相を明らかにしようとした。羅列的で統一性にやや欠ける叙述ではあるものの、大量のデータを根気よく整理し、3期に分けてさまざまな階層や性向別に「尊敬好感型」と「無関心型」の特徴とその変化を追跡し、年齢効果の根強さなどを明らかにできた点は興味深い成果である。 |
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キーワード1 | 天皇観 |
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キーワード2 | 属性 |
キーワード3 | 価値観 |
キーワード4 | 日本社会 |
キーワード5 |