学科 | 社会学科 | ゼミ教員名 | 板垣 竜太 | 年度 | 2024年度 |
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タイトル | コロナ禍前後における大学生の将来像・メディアの変化 |
内容 | 2020年の新型コロナウイルス流行により、人々や社会は様々な方面で大きな影響を受けてきた。C・ライト・ミルズは判断力を磨く手助けをしてくれるような思考力こそが社会学的想像力と呼ぶものであり、それは歴史と個人史とを、加えて社会の中での両者の関わりを洞察することが可能になると述べている。そこで、本論文では学生たちがコロナという予期せぬ社会変動の中で、自身の将来像、さらには身近なメディアの2方向でどのような変化があったかインタビュー調査から明らかにした。調査を行った結果、コロナ禍で共通してメディアへのアクセスは増え、将来像はコロナ中にマイナス要素が多く、コロナ後に前向きになっていき、コロナ中にできなかったことを挽回していく傾向が見られた。メディアへのアクセスが増え、その影響で将来像にまで変化が起きるタイプもいれば、あまり影響がないタイプも見られた。必ずしも2方向は連動しているとは限らなかったが、それぞれが重ねる中で決まっていたといえるだろう。コロナ流行は様々な変化が見られ、出来事として若者たちに否応なく「社会学的想像力」を働かせることを要求したものだったといえる。 |
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講評 | 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行は、それまで普通におこなってきたことを中断させ、翌日起こることも予想できないような状況をもたらした。本論文は、COVID-19の影響によって、大学生は将来像をどのように修正または維持したのか、それはどのような要因によるものなのかを、インタビュー調査を通じて明らかにすることを試みた。リサーチクエスチョンと調査設計が定まるまでに時間がかかり心配したが、最終的には、社会学的想像力論を手がかりに、将来像を早くから決めていたかどうか、夢がシフトしたかどうか、COVID-19中に前向きの社会像をもっていたかどうかなどによって、将来像をめぐる学生たちの想像のしかたやその変化も変わってくるという知見が得られた点は評価したい。 |
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キーワード1 | 新型コロナウイルス |
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キーワード2 | 将来像 |
キーワード3 | メディア |
キーワード4 | 想像力 |
キーワード5 |