卒業論文詳細

学科社会学科 ゼミ教員名板垣 竜太 年度2024年度
タイトル謎解きがもたらす新たなツーリズム ―「謎」というコンテンツを活用した観光産業の可能性―
内容 「謎解き」というコンテンツは、あらゆる場面で活用されている。そのなかでも「周遊型・街歩き型」と呼ばれるイベントを取り入れた観光産業が増加しており、その影響と効果は、コンテンツツーリズムの 1 種として位置づけることを可能にする。しかし、ツーリズム研究において「謎解き」は扱ったものは見られず、そもそも「謎解き」が社会にもたらしうる可能性について示した研究自体が少ない。そこで、「謎解き」を活用した観光についてツーリズム研究の視点から分析し、この一連の観光産業を「謎解きツーリズム」と名付けるとともに、過去に開催されたイベントを集計し、謎解き専門会社の社員や、イベント開催者にインタビュー調査を行った。開催その地域に訪れた人々に対して、地域側の「見てほしい・知ってほしい・行ってほしい」を仕込むことができるため、提供側の「操作性」をはらんでいるという特徴がある。地域側から生み出すことが困難な「聖地巡礼」現象とは異なり、地域側が自ら人々に対して仕掛け、参加者が謎を解いてはじめて成立するシステムは、今後様々な形で応用されると推測する。
講評 謎解きと周遊や街歩きを組み合わせたツーリズムは、近年、各地で盛んに企画されている。本論文は、これをコンテンツツーリズムの一つに位置づけるとともに、その特質を明らかにしようとした研究である。過去5年間に開催された約400のイベントを分析して、その全体的な傾向を捉えたうえで、参与観察やインタビューによって調査をおこなっており、データの信頼性は高い。冗長で羅列的な部分もあるが、新たな主題について、調査の難しさを超えてインタビューなどをおこない、地域側の「操作性」といった特性を明らかにした点でよい論文になっている。
キーワード1 謎解き
キーワード2 ツーリズム
キーワード3 街歩き
キーワード4 周遊型
キーワード5