卒業論文詳細

学科社会学科 ゼミ教員名板垣 竜太 年度2024年度
タイトル滋賀県の長寿と高齢者スポーツ ―長等グラウンド・ゴルフクラブに視点を当てて―
内容 平均寿命が全国トップクラスの滋賀県。地理的要因や県の独自の取り組みがある中で、運動をする人が多いことが分かった。運動に関してマクロな調査はされていたが、ミクロな調査はあまり行われていなかった。そこでなぜ運動実施者が多いのか、運動の継続要因、運動のもたらす健康以外の副次的要素を調査するため長等グラウンド・ゴルフクラブを調査対象とし、アンケート調査とインタビュー調査を主に行った。調査から滋賀県は琵琶湖を中心に運動環境が豊富であり、容易に運動しやすい特徴があることが分かった。また、調査対象において会員たちはグラウンド・ゴルフをすることによる「体の健康」だけでなく、そこで生まれるコミュニティやボランティアのやりがいといった「心の健康」を求めていることが分かった。多くの会員はクラブによって生まれた人間関係がプライベートにも影響を及ぼしていた。高齢者が運動を行うためには身体機能の保持や身近に運動環境があることなどが必要である。しかし、運動は心体どちらの健康にも良い影響があり、近年問題性を大きくしている「独居老人」問題を解消する新たな可能性となるのではないかという希望も見出された。
講評 高齢者の健康維持にとって適度な運動が重要とはよく言われるが、無理なく運動を続けることは簡単ではない。本論文では、30年以上活動が続けられてきた滋賀県の長等グラウンド・ゴルフクラブを対象に、会員へのアンケート調査やインタビュー調査を併用して、その持続性の要因を明らかにしようと試みた。その結果、通いやすさ、会員間の距離感、ボランティア活動を通じたやりがいなどの要素が浮かび上がった。本人の関心事である「長寿」と論文のなかで明らかにしたこととのあいだにギャップはあるが、高齢者スポーツの事例研究として興味深い内容になっている。
キーワード1 高齢者
キーワード2 グラウンド・ゴルフ
キーワード3
キーワード4 コミュニティ
キーワード5