内容 |
ストリートダンサーは実際に都市空間のどんなところに群れ、そこにはどのような空間的特徴があるのか、そしてそのような練習スポットにはどのようなルールがあり、ダンサー同士やダンサー対通行人、ダンサー対警備員は互いにどんな関係性を築き上げているのか、これらを関西圏ストリートダンス練習スポット22箇所の観察及びヒアリング調査、京都駅近くの「アバンティー」に的を絞った参与観察及びインタビュー調査により明らかにした。まず練習スポットの空間的特徴については、「深夜に使用される場所が多い・駅近辺に練習スポットが密集・屋根の有る場所がほとんど・歩行者動線を避けている場所が多い・全身を映し出す鏡がある場所が圧倒的に多い・無料で使用可能な場所がほとんど・立地タイプは商業施設が多い」という7つの空間的特徴が明らかになった。またダンサー同士の関係性については、基本的には一定の距離が保たれておりあいさつを交わす程度の関係性であるものの、通行人などの「他者」の介入によりそれは一時的に密接になりうるということが明らかになった。さらに、ダンサー対警備員の関係性については、ダンサー同士と同様あいさつ程度で、中にはダンサー同士よりも警備員との交流の方が深いという人もいた。 |