卒業論文詳細

学科社会学科 ゼミ教員名小林 久高 年度2008年度
タイトル集団志向に関する考察――象徴の視点から考える集団志向――
内容  本稿は、集団志向を新たな視点からとらえることで、現代人の抱える問題について発見し、それについて考えた。構成は大きくわけると、今までの集団志向についての議論、集団志向の新たな視点、新たな視点から見えてくる現代人の問題についてである。
 今までの集団志向の多くの文献が、集団志向の変遷を各時代に分けて書かれていた。また、戦後の集団志向を取り扱うものが多かった。しかし、それに対し本稿では集団志向を、集団そのものを動かす原動力となる象徴からとらえた。
 そして、象徴を4つにわけ集団志向を考えた。その4つとは、幕府・天皇・経済成長・ブームである。本稿ではこの4つの象徴が形成された背景、その集団の構造を大きく取り上げている。
 また、集団志向を4つに分けることででてくる現代人の〈象徴のなさ〉という問題に
ついても考えている。現代人が今まで存在した大きな象徴(幕府・天皇・経済成長)をなくし、自分が存在する意味を失う。そのことから意味をもとめブームに走っていくことで今を生きる意味を見つけようとしているのが現代人である。
講評  本年度の卒業論文については、内容の多様性が特徴としてあげられるだろう。計量分析、フィールドワーク、概念的検討、小説の分析、文献研究と、用いられている方法は多様であり、各自自らの方法に基づきロジカルに論を展開し、それなりの結論を導き出している。飛びぬけてよくできているものはなかったが、問題外といったものもない。ただ、興味深いアイデアを含んでいる論考が数点あり、もう少し手をかけていればかなりいいものになったと予測できる。「時間切れ」がやや残念である。
キーワード1 集団志向
キーワード2 象徴
キーワード3 天皇
キーワード4
キーワード5