内容 |
高度経済成長期に誕生した郊外住宅地の代表であるニュータウンは、近年、バブル崩壊による都心回帰などの影響から、少子高齢化などの問題が発生し、衰退し始めているという。本稿では、ニュータウンは何故これほど早く衰退が叫ばれるようになったのか、画一的だと言われがちなニュータウンには、変遷や衰退の過程で違いは存在しないのか、これからのニュータウンはどうあるべきか、について論じている。具体的な内容として、ニュータウンの形態が違えばその衰退の仕方も大きく違ってくる、という仮説を立てたうえで、前半では西神ニュータウンの先行モデルとして、千里ニュータウン、多摩ニュータウンの計画段階からの誕生の過程から現在に至るまでの変遷と問題点を探り、後半では比較的新しい郊外住宅地である、西神ニュータウンについて同様に、変遷と問題点を探った。調査の結果、多くの文献で画一的だと言われていたニュータウンにも、計画段階から変遷まで多くの違いがあることと、変遷や衰退の過程の違いについては、それぞれ大きな違いがあることが分かった。さらに、これからのニュータウンの在り方については、少子高齢化によって増加した高齢者にとってより住みよい街づくりと、希薄になりがちな世代間のコミュニティの構築が必要であると結論付けた。
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