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90年代半ばから、ウェブや汎用ソフトが社会に登場し、現在までのインターネットの世俗化をよんだ。情報化社会ではバーチャル空間における検閲を介さない同期的意見交換や、参加者の匿名性、アンダーグラウンドな公的議論などの、全く新しいコミュニケーション方式が現れはじめ、90年代末には若者層を中心に「2ちゃんねる」という世界最大の匿名掲示板が出現した。
本論ではまず、この2ちゃんねるコミュニティのもつ成員の参与構造の特徴を挙げ、コミュニティ成立の本質的要因に疑問点を残しつつ、特徴のひとつである「成員の地位の水平性」より「連帯の自己目的化」構造を導き出す。さらに参与構造の視点から、このコミュニティと類似するものとして、戦後最大の学生運動として史実にその名を残した「全共闘」コミュニティの存在を提示する。そして二者がもつ3つの大きな類似性と、全共闘コミュニティももつ「連帯の自己目的化」構造を述べたのち、“なぜ若者達は異なる時代に類似するコミュニティに熱狂したのか”という、疑問点として残された「成立における本質的要因」に目を向ける。
それは、アメリカの社会学者マーチン・トロウの「トロウ・モデル」を日本の教育史に当てはめると明らかになってくるのである。
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