学科 | 社会学科 | ゼミ教員名 | 鯵坂 学 | 年度 | 2010年度 |
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タイトル | 住民運動の発展と衰退――滋賀県における石けん使用推進運動を事例に |
内容 | 合成洗剤の有害性を問題意識として、滋賀県では1970年頃から1980年頃まで合成洗剤に代えて石けん使用を推進する住民運動である「石けん使用推進運動」が展開した。主婦の手あれとあかちゃんのおむつかぶれから合成洗剤の使用に疑問をもった住民団体が始めた運動は、滋賀県行政との協働関係に入ると飛躍的に発展した。滋賀県内における石けん使用率が一時70%を超えるという成果を出し、運動は日本初となる有リン合成洗剤を規制する「滋賀県琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例」の施行に漕ぎつける。しかし、合成洗剤の使用をめぐる問題について、行政は「環境問題」、住民運動団体は「健康問題」と異なった認識であったこと、石けん使用推進運動における主導権を行政が握っていたことが要因となり、住民側の目的である合成洗剤の追放には至らなかった。行政の資源動員を失った運動は衰退へと向かう。住民運動論の観点から「石けん使用推進運動」が、どのような要因で発展し、また衰退したのかを検証する。 |
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講評 | 結果として卒業論文の完成度にはかなりの差が見られた。もう少しで修士論文並みになるような高度なものと、先行研究や資料の一部を引用しただけの「つまらない」ものがあった。卒論で明らかにする課題をしっかり持ち、先行研究を的確に理解し、それに基づいて明確な分析枠組みを持っていたかどうかが、卒論の出来不出来の要因となった。その差異の原因は、就職活動の終了の時期による時間的なものあったが、大学生活最後の作品である卒論に取り組む各自の姿勢が大きかったのではと推察している。時間があったのに適当に論文をまとめた人、時間的に困難があっても、フィールド・ワークや資料収集にしっかり取り組んだ人もあった。 なお、3回生までの社会学科の授業の内容をあまり吸収していないと思われる論文もかなりあった。また、論文を書く視点が自己の日常的な経験に留まり、錯綜する現代社会を理解しようとする社会学的想像力が身についていないのでは、と感じられる論考もあった。 |
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キーワード1 | 住民運動 |
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キーワード2 | 石けん |
キーワード3 | 環境 |
キーワード4 | |
キーワード5 |