学科 | 社会学科 | ゼミ教員名 | 鯵坂 学 | 年度 | 2010年度 |
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タイトル | メディアが発信する流行における若者の個性と競争意識 ―女子学生のファッションを事例に― |
内容 | 流行が目に見えて、最もわかりやすいモノは、ファッションではないだろうか。人びとは毎シーズン変化するファッションの流行を、メディアを通して自らのスタイルに取り入れるわけだが、皆が皆同じ媒体から同じ流行情報を得て取り入れると、ファッションは均質化し、個性がなくなってしまうのではないだろうか。著者は、小山栄三の先行研究をもとに、次のような2つの仮説をたてた。「人びとは一つの社会圏に同調しつつも個性的でありたいという欲求を持っているのであれば、ファッションが均質化した大衆社会の中で、若者は他者との差異化を図るために、個性を表現する」「個性を表現するという行為の根底には他者と競い合う「競争意識」がある」という仮説である。著者は、雑誌のスナップ写真の分析と、インタビュー調査によりこれらを明らかにしようと試みた結果、個性を表現したいという願望はあるが、競争意識は人によって異なっていた。 |
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講評 | 結果として卒業論文の完成度にはかなりの差が見られた。もう少しで修士論文並みになるような高度なものと、先行研究や資料の一部を引用しただけの「つまらない」ものがあった。卒論で明らかにする課題をしっかり持ち、先行研究を的確に理解し、それに基づいて明確な分析枠組みを持っていたかどうかが、卒論の出来不出来の要因となった。その差異の原因は、就職活動の終了の時期による時間的なものあったが、大学生活最後の作品である卒論に取り組む各自の姿勢が大きかったのではと推察している。時間があったのに適当に論文をまとめた人、時間的に困難があっても、フィールド・ワークや資料収集にしっかり取り組んだ人もあった。 なお、3回生までの社会学科の授業の内容をあまり吸収していないと思われる論文もかなりあった。また、論文を書く視点が自己の日常的な経験に留まり、錯綜する現代社会を理解しようとする社会学的想像力が身についていないのでは、と感じられる論考もあった。 |
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キーワード1 | 女性ファッション雑誌 |
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キーワード2 | ファッション |
キーワード3 | 個性化 |
キーワード4 | 同調 |
キーワード5 | 競争意識 |