学科 | 社会学科 | ゼミ教員名 | 藤本 昌代 | 年度 | 2010年度 |
---|---|---|---|---|---|
タイトル | 揺らぐ女性の職位 |
内容 | 私たちの社会では、男性と女性では相応しいとされる職業が異なり、就いている職業も性別に基づいて分化する。このような男女間での職業が異なることを「性別職域分離」とよぶ。本論文では、この性別職域分離の解消に向けた職域統合の動きに着目し、男性就業者が女性の職業領域へ参入した場合どのような影響が起こるかについて検証する。男女間の職業領域の分断を統合する場合の目指すべき方向としては、男性と女性が均等な機会のもとで職業を選択・入職し、性別かかわらず男女とも同等の職務・職位に従事することができるという状態であろう。では、職域統合が進められる現在において、その状態は実現されているのかどうか、本当に性別職域分離の解消に繋がっているのかどうかを明らかにする。 |
---|
講評 | 本論文は授業で取り上げた社会学者の文献に疑問をもった筆者が、果敢に本業の社会学者も諦めていた職業小分類の中から女性職が他から影響を受けている傾向を分析した点が特徴である(あまりにも膨大であるため、研究者は中分類で分析を行なっている)。筆者の分析から、中分類では見えなかった職域水平分離で発生した女性職の中で、さらに男性が参入することにより女性が確保していた上位職を脅かされる職域垂直分離が昂進するという「ダブルジェンダーバイアス」という現象が発見された点が評価できる。膨大なデータを前に臆せず、根気よく分析し、仮説を検証し、発見した事実をもとに現象を概念化した本論文は、修士論文へ展開できうる秀作である。 |
---|
キーワード1 | 職業 |
---|---|
キーワード2 | 性別職域分離 |
キーワード3 | ジェンダーバイアス |
キーワード4 | 役職 |
キーワード5 | 賃金格差 |