卒業論文詳細

学科教育文化学科 ゼミ教員名山田 礼子 年度2013年度
タイトル「大学編入に至るまでの学生の意識・行動に関する研究ー短期大学出身者と四年制大学出身者の編入者間比較-」
内容  欧米諸国と比較して、日本の編入学制度は未だ発展途上の状況にある。しかし、年間約20,000人もの学生がその制度を利用しているという実態から、今後さらにその規模が拡大することが予測される。本研究では、編入学生全体に占める割合が伝統的に大きい、短期大学出身者と四年制大学出身者の編入者間比較を行うことにより、学生の意識や行動といった大学編入に至るまでのアプローチを明らかにした。
 それぞれの編入生が大学編入という共通の目標を据えつつも、それに至るまでのアプローチに差異が見受けられるのではないかという問題意識のもとインタビュー調査を実施したところ、不本意入学と大学編入の関係性や目的意識などにおいて両者の差異が明確となった。しかし、編入先の大学を選択する基準には偏差値という日本特有の意識が関係し、結果として、多くの学生が偏差値レベルの上昇を達成するというような共通の傾向も見受けられたのもまた事実である。
講評  2013年度の卒業論文執筆者は6名であった。全員が高等教育に関連したテーマを扱い、「留学に関する問題」、「高校への大学広報のあり方」、「就職支援システムの分析」、「編入制度に関する問題」、「私立大学の教員養成制度に関する問題」、「私立大学の新学部設立の動向」等が具体的なテーマであった。昨年ゼミ担当教員が国内研究で3年生ゼミを担当していなかったことから、4年次から全員が本ゼミに所属して研究を進めてきた。指導時間が短かったにも関わらず、各人が自主的に、自律的に研究を進め、例年以上に論文執筆は順調であったというのが印象である。当該ゼミでは、生のデータを集めて、分析するということが最も大きな壁であるが、それにも全員が積極的に関わり、自立的に進めてきただけでなく、学生同士が協力しあい、励まし合いながら論文執筆を行ってきた。このような経験は貴重であると思うし、是非社会に出ても、こうした経験を活かすことを期待している。
キーワード1 高等教育
キーワード2 大学編入
キーワード3 偏差値至上主義
キーワード4 学歴社会
キーワード5 不本意入学