内容 |
本論文は2011 年度から段階的に必修化されているダンス、その中でも最も採用されると予想されているストリートダンスの教育的意義や導入背景ついてアンケート調査やインタビューをもとに考察したものである。
結果としてダンスには積極性や他者を認め合う力を育む力があるということ、またその良い効果も指持者がいかに生徒へ受動的でなく自発的な活動へ促すか、という点にかかっていて、ダンスという課題探求型活動の指導に当たっては指導者のあり方によって生徒への影響が良くも悪くも大きく変わる、という結論に至った。
初めにストリートダンスに限らず日本におけるダンス教育全般の辿ってきた歴史について述べていき、次に日本におけるストリートダンスの在り方やそれ自体の起源について記述した。それからダンス必修化の影響について自身のダンス経験とアンケート調査・インタビューに基づいて考察していった。
私は調査を進める前から、ストリートダンスについては社会的にあまり良いイメージを持たれていないと考えていた。実際にアンケート調査においても否定的な意見を述べる方が多かった。しかし、一部の方やストリートダンスを経験したことのある方からは、ダンス特有の意義を見出せるという意見もあった。筆者自身も約7年ストリートダンスに取り組んでいるが同様にプラスの効果よりもマイナスの効果のほうに注目が行きがちであると感じた。だがたしかにストリートダンスには曖昧である部分やきっちりしていない部分に魅力があるとされるような側而もあり、ただ定型的に指導が施されるならば、生徒にとってマイナスの効果の方が大きくなってしまう懸念がある。
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