学科 | 社会学科 | ゼミ教員名 | 小林 久高 | 年度 | 2013年度 |
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タイトル | 死生観の変遷と漫画の関係について |
内容 | 家族形態の変化やライフスタイルの多様化により、死の迎え方や葬送儀礼にも変化が表れている。表面上、日本古来の故人を敬う気持ちや先祖が家を守っているといった観念は生者の事情に押されて薄れているように見えるが、実際はそうとは言い切れない。葬送儀礼が変化する一方で、人々の根本には従来の死生観が根付いていると考えられる。表面上の儀礼と死生観のズレは、日本で親しまれている漫画作品にも反映されている。今回事例に挙げた『RAINBOW―二舎六房の七人』と『DEATH NOTE』の2作品は、前面に出ている死者の扱いや倫理構造に大きな違いがあったものの、作中の根本に関わる部分には日本の古典的死生観が関係しているように思われた。表面上の倫理構造や物語展開の多様性に加え、物語の根本には古典的死生観が根付いている。この事実が読者の根底にある観念を刺激し、より作品を魅力的に見せているのではないかと考察した。日本の漫画作品が広く支持される要因の一つとして、読者の根底に訴えかける古典的死生観の影響力は重要であると主張したい。 |
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講評 | 死生観の変遷の部分、漫画における死生観の部分、この2つはそれぞれ内部でよくまとまっているし興味深い。しかし、両者の関係がもうひとつきれいに明らかになっていない。「死と記憶」という重要問題が抽出されているので、そのあたり掘り下げるともっと面白くなる。 |
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キーワード1 | 漫画 |
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キーワード2 | 死生観 |
キーワード3 | 倫理構造 |
キーワード4 | |
キーワード5 |