卒業論文詳細

学科教育文化学科 ゼミ教員名越水 雄二 年度2014年度
タイトルルソーの消極教育論―現代生涯学習における意義―
内容 本稿は、生涯学習論における消極教育論の意義を探ったものである。ルソーの消極教育論は子どもを対象としているものだが、筆者は彼の教育論を、大人が学習する際にも重要な教育思想だと考えている。そこで本稿では、消極教育論と現代の生涯学習論を研究し、それぞれの共通性を分析している。生涯学習論にみられる消極教育論の思想を明らかにすることによって、消極教育論が大人の学習にも有効的であることを示していく。第一章では、ルソーの『エミール』を参考にしながら、消極教育論の考えをまとめていく。第二章では生涯学習に考察を移す。また、生涯学習論の中でも、教育方法論に近い成人学習援助論に注目した。教育者が成人学習者へ教育を行う際の援助論を研究し、消極教育論の要点を挙げながらそれぞれの共通性を検討する。本稿のおわりでは、どちらの理論においても、経験、自発性、環境の3点が重要視されていることが分かった。
講評 「教育文化学演習Ⅲ・Ⅳ④」、すなわち〈西洋教育文化ゼミ〉では今年度、17編の卒業論文が提出されました。本データベースに掲載された各論文の梗概からお分かりの通り、17編の内容はヴァラエティに富んでいます。ゼミ生は自分の研究テーマに詳しくなるのはもちろん、他のメンバーによる多彩な発表からヨーロッパの教育文化について幅広い知識や情報を得られたはずです。それらが各自の生涯学習のための素養となり、今後の生活の中での様々な学びや楽しみの機会に、意外な時に意外な所でも想起され活かされることがあれば幸いに思います。私は今後、本ゼミ生が、卒論のテーマを3年次の終わりには設定し、4年春学期に先行研究を把握して自分の研究の焦点を定め、できれば夏休みに現地を訪ねて、本格的な調査はできなくても空気を肌で感じた上で、4年秋学期に考察を深めて執筆を進められるような、指導体制・学習環境の提供に努めていきたいです。(越水雄二)
キーワード1 経験学習
キーワード2 自発性
キーワード3 環境づくり
キーワード4 生涯学習
キーワード5