卒業論文詳細

学科社会学科 ゼミ教員名鯵坂 学 年度2014年度
タイトル京都の伝統産業を担う老舗商家のネットワーク――京扇子産業を事例として――
内容 京都は老舗の多い都市だ。業種は多岐に渡っているが、その中には伝統産業を担う老舗も少なくない。千年の間都が置かれた京都では、数多くの歴史ある社寺が存在し、茶道や華道、能といった伝統芸能等、京都固有の文化が育まれてきた。その中で高度な産業の発展もみられ、数多くの伝統産業が残っている。私は伝統産業を担う老舗に注目し、その中でも京扇子産業を担う老舗を調査した。産業構造の近代化が進んだ現在においても、京扇子産業の構造には近代化が見られず、細かく分業された工程をそれぞれ担う職人と、それを組織・統合する役割を担う商家によって産業が成り立っている。そのため京扇子を扱う老舗の永続要因に迫るには、職人労働者(工家)と商家を切り離して論じることはできない。京扇子老舗の事例研究から、各老舗がどのようなネットワークを構築することで永続してきたのか、需要低下、職人不足の中でどのような一手を打っているのか明らかにした。
講評 今年は卒論の取り組みが遅れた人が、例年以上に多くて残念でした。提出1ヶ月前に、研究テーマ・対象をかなり変えた人、なかなか調査対象を決められなかった人などがいました。一方で、先行研究を踏まえて、夏前に調査の準備にとりかかり、夏休みに調査を実施し、さらに新しい先行研究や資料を見つけて、その枠組みを用いることにより、充実した論文となった人もありました。それらには、Aを付けて在ります。
 気になった点は、以下です。
①先行研究の探し方が不足している論文が多かった。そのために、自己の研究を進めていく際の分析視角や、インタビューの課題が明確でなく、論文全体が未熟なままとなっていました。
②参照文献の引用注があったものの、かなりの分量の丸写しが見られる論文が見られました。
③インタビューの準備、開始の遅れから、3~6人程度の対象にしか、面接していない論文がありました。
キーワード1 老舗
キーワード2 伝統工芸品産業
キーワード3 京扇子
キーワード4
キーワード5