学科 | 社会学科 | ゼミ教員名 | 藤本 昌代 | 年度 | 2014年度 |
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タイトル | 性別役割分業に対する女子大生の意識と将来展望に向けての行動 |
内容 | 卒業後の進路やキャリアの方向性が決まる岐路に立った、大学4年生の女子大生の性別役割分業意識と将来展望に向けての行動を明らかにするためにインタビュー調査を行った。 調査結果から、女子大生全員が性別役割分業に否定的だが、家事や育児に対しては肯定的であり、性別役割分業を内面化しているといえる。また、多くは女性職や補助業務に役立つ資格を取得しており、職場での性別役割分業を受け入れている。少数のキャリアアップ志向の女子大生は共通して学生時代に男女混合の組織でリーダーシップを発揮していたが、仕事と家事・育児の両立などの不安を抱えていた。女子大生が不安なく社会で活躍するイメージをもつためには今後、性別役割分業に対する社会的な認識が変わる必要があると考える。現在、女性の社会進出が推進されているが、社会で活躍することが女性にとっての幸せとは限らない。働き続けることでも、家庭に入ることでも自由に選択できることが女性にとって重要であると考える。 |
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講評 | この論文は女子学生の性別役割分業意識に着目したものである。調査はインタビュー形式で行われている。対象者全員が性別役割分業に反対と述べながらも、実際には家事、育児は夫ではなく、自身の手によって行いたいという希望を持っている学生が多く、直接的な質問と間接的な質問で回答傾向が正反対であることが発見されている。女子学生たちにとって、教育で学んできた差別的な意識による格差、押しつけはあってはならないが、自ら選択したものは性別役割分業を肯定するという意識が全くないことが興味深い。規範の内面化は母親の就業形態(継続か専業主婦か)に強く影響を受けていた。また、社会で統合職(男女比率に偏りが少ない職種)に就くことを望む女子学生は、受験での成功体験による高いアスピレーションが伺え、高校・大学の学生生活の中でリーダーを務める傾向が見出されている。このように、本研究では性別役割分業意識の教育成果と実感のギャップを発見された。 |
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キーワード1 | 性別役割分業意識 |
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キーワード2 | 女子大生 |
キーワード3 | ライフコース |
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