学科 | 社会学科 | ゼミ教員名 | 藤本 昌代 | 年度 | 2014年度 |
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タイトル | 新聞編集局デスクの働きがいとジレンマ――専門職としての価値意識―― |
内容 | 専門職のキャリアパスの特徴の1つとして、必ずしも管理職に就くことを望まない、という点が挙げられる。なぜなら、管理職の就くと専門性の高い仕事に注力できなくなるからである。本稿では専門職である新聞社編集局に中間管理職であるデスクとして働く人々への調査によって、現在の業務に対するジレンマや新聞社で働く上での価値観を明らかにした。本稿前半では、新聞社内における編集局の位置付けや新聞記者としての一般的なキャリアパス、業務内容について述べた。後半では、現在デスクとして働く人々に行った調査より、入社前に抱いていた新聞記者についての思いや記者時代の仕事のこだわり、現在のデスクとしてのやりがいや価値観について分析を行った。「記事を書き続けたい」という専門職のキャリアパスにて生じるジレンマも見られたが、それ以上にインタビュイー全員が「世間にニュースを発信している」という責任とプライドを持って仕事していることがわかった。 |
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講評 | この論文は新聞記者という一般の人々の目には触れにくい専門職のキャリアパスや働きがいがどのような要素で構成されているのかについて検討を行うものである。方法は大阪にある大手新聞社のデスク職(記者よりも上位職であり、記者が書いた記事を編集、校正する担当部署の責任者)にインタビュー調査を行っている。新聞記者は専門職として現場で取材し、自身の裁量で文章化する能力を存分に発揮できるため、デスクという管理的立場になることより、現場の記者でいたいという思いをもつ者が多いことが示され、他の専門職同様、管理的立場に魅力を感じていないことが明らかになった。しかしながら、情報処理能力の高さや文章力の高さが優れていると認められた者が選ばれる職種でもあるため、自負もあった。この論文は新聞社という多くの学生が憧れている職場であり、外部からは見えにくい組織構成、記者のキャリアパスが明らかにされた貴重な情報が盛り込まれた論文である。 |
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キーワード1 | 専門職 |
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キーワード2 | 働きがい |
キーワード3 | ジレンマ |
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