卒業論文詳細

学科社会学科 ゼミ教員名鯵坂 学 年度2015年度
タイトル京野菜のブランド戦略
内容  近年地域ブランドが全国的にブームになったことは記憶に新しい。なかでも、名産品ブランド力ランキングで上位にランクインするなどし、全国的に高い評価を得ているのが今回注目した京野菜だ。では、はたして京野菜は本当にブランド化に成功したといえるのか。先行研究からは、京野菜自体の定義が抽象的であるために重層的な構造で京野菜ブランドが形成されていること、そのため京都府と京都市のブランド戦略はコンセプトや方向性が大きく異なることが判明した。しかし、それぞれのブランド戦略には課題があるうえに、消費者が各ブランドのコンセプトや価値を理解しているかどうかは疑問だ。また、代表的な京野菜ブランドである「京のブランド産品(ブランド京野菜)」の関係者へのインタビュー調査からは、関係者間で意思の統一をはかる必要性やマークの問題点が見えてきた。したがって、一見ブランド化に成功したように見える京野菜だが、実際はまだまだ課題が多く、そのブランド化およびブランド戦略が成功しているとは言い難い。京野菜ブランドの更なる発展のためには、関係者間で一定の共通理解を深め、連携しながら、消費者に分かりやすい形でブランドを提供する必要があるのではないか。
講評 今年度は就職活動の開始が例年より4か月も遅れたため、内定が早い人で8月末ころとなったため、卒論の取り組みがかなり遅れました。これにより例年と比べて、「生煮え」の卒論が多くなりました。それなりに頑張った人もいたのですが、Aに届く論文は、残念ながらありませんでした。気が付いたことを書きます。
◇良かったこと
独自な視点からテーマを選んで、先行研究をふまえて分析視角を設定し、時間の無い中でも地域調査やフィールド・ワークを頑張った人がいた(5人)。
◇反省点
①先行研究を見つけそれをじっくり読み、そのエッセンスを自分の言葉でまとめることが不十分な人が多かった。その結果、かなりの人にコピー・ペーストの部分が見られた(10人)。
②春に配ったスタイル・ガイドにそった記述が出来ていない人があった(6人)。社会に出ればわかると思いますが、文章を書くにもそれぞれの組織・団体にルールがあるのです。
③引用の付け方が不十分で(6人)、また(注)を使わない人もあった(3人)。
④1つの文章が長すぎ、文脈が分りづらい論文があった(9人)。もっとシンプルな、文章を書いてください。
◇次年度生へのお勧め
春休み段階で先行研究をしっかり探しそれら読み、それらをもとに調査をするなり、文献研究を進めるなりしてほしい。
キーワード1 ブランド
キーワード2 地域ブランド
キーワード3 京野菜
キーワード4
キーワード5