卒業論文詳細

学科社会学科 ゼミ教員名小林 久高 年度2015年度
タイトル深層心理学と科学
内容  河合隼雄は、日本人で初めてユング派の分析家の資格を取得した人物である。京都大学理学部数学科を卒業した河合は、高校の教師になった。よき教師になるために心理学を勉強していた河合は、日本での臨床心理学の発展が不十分であると感じ、アメリカに臨床心理学を勉強しに行った。一年半アメリカで勉強した後、河合はスイスのユング研究所へ行くことになる。
 フロイトは無意識の内容は抑圧されたものであるとしたが、ユングはそのような個人的な性質のもののさらに深層に、人類に普遍的な無意識の層があると論じ、それを「集合的無意識」とよんだ。
 若かりし頃のユングは、大学の精神科医として輝かしい道を歩んでいるように見えた。しかしフロイトと離れ、アカデミズムとも離れ、ユングは独自の道を歩むことになった。
 西洋近代の経験科学は、感覚器官によって認識される外界の事物を研究の対象とする。それに対して、東洋の知の態度は、人間が自分自身の心身をコントロールする実践的技術知を重んじる。このような東洋の知に、深層心理学が発展していくヒントがあるかもしれない。
講評 文献をもとに、河合隼雄やユング心理学についてまとめた論文。もう少し発展的な議論があればなあと思う。
キーワード1 内的現実
キーワード2 主観的経験
キーワード3 東洋の知
キーワード4
キーワード5