内容 |
2008年に文部科学省より発表された「留学生30万人計画」により現在多くの大学・大学院や日本語学校で外国人留学生の受け入れが盛んに行われている。これに対して卒業後の支援についてはまだまだ多くの課題を抱えており、その一つに日本に関心を持って留学してきた学生の「流出」がある。このような事態に対して政府や産業界は留学生の就職支援に力を入れ始めたが、外国人留学生の就職意識にどのような決定要因がひそんでいたのか実際の留学生に聞き取りを行なった。その中でも中国人留学生に視点を当てていくと、いくつかの傾向がみえてきた。来日理由のほかに日ごろの友人付き合い、男女の差が進路決定に関与してくることがよみとれた。女性に比べ経済力を求められる男性は就職を希望する傾向が強く、また「就職活動」という同じ話題を共有することなど相談ネットワークの違いも進路決定に影響を与えていることがみてとれた。卒業後に海外を志望する層と日本国内で生活を考えている層に大別することができる中国からの留学生であるが、もともと日本で就職するつもりで来日した中国人留学生はそれほど多くなく、留学中の「人的」な相互作用が就職意識を決定する大きな要因として考えられる。 |