卒業論文詳細

学科社会学科 ゼミ教員名鯵坂 学 年度2016年度
タイトル「都心回帰」時代における伝統都市「まつり」の維持と継承―京都・祇園祭・山鉾町・菊水鉾町の実践を事例に―
内容 京都の町内は閉鎖的であるとよく言われる。しかし、祇園祭・山鉾町の一部では、町内運営の担い手であった旧住民が減少した後、町内とは縁もゆかりもないマンション新住民が増加してきたなかで、祇園祭が維持・継承されてきている。そうした町の1つである菊水鉾町では、町内会や保存会といった組織や制度の仕組みを変えるのではなく、新たに編み出すという柔軟な運営がなされてきた。その結果、旧住民の管理下で新住民が活動するという「ピラミッド」型の関係ではなく、旧住民が中心となって住民間の調整を行う周りで新住民が活動するという「同心円」型の関係が構築されてきている。それは、新住民を除外するような閉鎖的なものではなく、新住民を受け入れる開放的なものであると言えよう。そして、このことにこそ、人口流動が激しい現代都市において、町内という地域コミュニティの「まつり」を維持・継承していくための手がかりがあるのではないだろうか
講評 今年の卒論は、昨年度に比べて全体として優秀なもの(6つ)が多かったように感じています。 特に、先行研究もある程度参照出来ていて、インタビューと量的調査の両方駆使して、実証研究をした(5つ)ものもあり、読み応えのある論文がありました(5つ)。
そのうえで気になった点を以下に書きます。
①先行研究の読み込みが不十分であり、それを踏まえた論旨の展開が弱い論文があった(4つ)。
②それは、夏休み前に提出する春学期のレポートが不十分なためだといえます。
③限られた時間で分析を行わなければならないときに、どの論点に絞るかについて、十分に検討できていない論文があった(3つ)。
③一つの文章が長すぎるものがあり(6つ)、それぞれの文章を短くして簡潔な文章を書くようにしましょう。
④殆どの論文で、節が長すぎるものがあり、もっと小まめに改行したほうが、読み手には分かりやすいと思います(7つ)。
⑤スタイルガイドをよく参照出来ていないものもありました(2つ)。
キーワード1 祇園祭
キーワード2 町内
キーワード3 町内会
キーワード4 保存会
キーワード5 マンション新住民