卒業論文詳細

学科社会学科 ゼミ教員名鯵坂 学 年度2017年度
タイトル観光資源としての食と地域ブランド化 ―博多ラーメンを事例に―
内容 とんこつラーメンは戦後の復興期において、その栄養価の高さから労働者や若者を中心に受け、常連客や修行をした人たちによって九州各地に広がっていった。福岡市内では日常生活にラーメンが浸透するうえで屋台がその役割を担った。博多ラーメンの呼称は、1980年代のとんこつラーメンブームの時に東京で呼ばれ始めた。先行して全国的なブームとなった1970年代の札幌みそラーメンと差別化を図ったものとみられる。しかしそのころ、福岡、九州では既に「ラーメン」の呼称で地域に根付いていた。1990年頃には博多ラーメンの名が浸透していることから、とんこつラーメンブームが地域のブランドアイデンティティの構築を加速させたと考える。博多ラーメンがブランドアイデンティティを確立した理由として、とんこつラーメンブームの発端である東京が強力な情報集積・発信の地だった点、博多ラーメンの自由度の高さが豊富な文脈を生み出した点が挙げられる。博多ラーメンは地域ブランドとして根付いた現在、都市部におけるフードツーリズムの中核的商品だと言える。
講評 今年度の就職は全体として早めに決まった人が多かったのですが、卒論への取り組みが遅れた人がかなりいました。これにより昨年と比べて、「生煮え」の卒論が多くなりました。それなりに頑張った人もいましたが、読んでみて問題なく「A」だと確信できる論文は、残念ながらありませんでした。気が付いたことを書きます。◇良かったこと:独自な視点からテーマを選んで、先行研究をふまえて分析視角を設定し、フィールド・ワーク、インタビュー、参与観察を頑張った人がいた(4人)。◇反省点:①先行研究を見つけそれをじっくり読み、そのエッセンスを自分の言葉でまとめることが不十分な人が多かった。その結果、かなりの人にコピー・ペーストの部分が見られた(5人)。なかには、複数ページにわたり先行研究の丸写しと思われる論文もあり、口頭試験の時に修正を指摘しました(3人)。②春に配ったスタイル・ガイドにそった記述が出来ていない人があった(7人)。読んでいないと思われます(3人)!!!。実社会に出ればわかると思いますが、文章を書くにもそれぞれの組織・団体にルールがあるのです。③引用の付け方が不十分で(5人)、また(注)を使わない人もあった(7人)。④事実と意見の区別が曖昧な文章を書いた人(6人)⑤1つの文章が長すぎ、文脈が分りづらい論文があった(8人)。もっとシンプルで的確な文章を書いてください。◇皆さんへのお勧め:就職すれば、短いかもしれませんが報告書などを書くことがあると思います。そこで分かりやすい簡潔な文章を書くことは、大切なことだとわかると思います。同志社大学社会学科で勉強し、2万字以上の文章を書いたわけですから、文章や文字にはこだわりを持ってください。
キーワード1 博多ラーメン
キーワード2 フードツーリズム
キーワード3 地域ブランド
キーワード4
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