卒業論文詳細

学科社会学科 ゼミ教員名鯵坂 学 年度2017年度
タイトル「都心回帰」する大学と地域住民―同志社大学今出川キャンパスと京都市上京区室町学区の事例調査から―
内容 近年、全国的に郊外に立地・移転していた大学が都心へ集まる、大学の「都心回帰」現象が多く見られる。大学の「都心回帰」によって、移転先の都心地域には地域活性化効果があるなど良い影響ばかりがよく語られる。しかし、移転先の地域社会への悪影響も存在する。実際に2013年に「都心回帰」を行なった同志社大学では学生のマナー違反等が地域問題となっている。本論文ではこうした大学の「都心回帰」の事例として同志社大学の「都心回帰」について調査を行なった。その結果、学生による問題に対して「諦め」や「慣れ」といった気持ちが地域住民に拡がっていることが明らかになった。一方で、この同志社大学の「都心回帰」による悪影響が、今まで交流を持ってこなかった大学と住民の関係を変化させるきっかけになり、双方をつなぐ〈架け橋〉が構築された。また、「都心回帰」による学生増加に伴った「学生ボランティア」の増加も生じており、大学と地域の関係構築に一定の役割を果たしていることが分かった。大学の「都心回帰」を大学と地域の双方にとってメリットのあるものにするためにも、お互いの「特性」、「現状」、「課題」、「展望」などについての相互理解を深め、コミュニケーションを取ることが必要なのではないだろうか。
講評 今年度の就職は全体として早めに決まった人が多かったのですが、卒論への取り組みが遅れた人がかなりいました。これにより昨年と比べて、「生煮え」の卒論が多くなりました。それなりに頑張った人もいましたが、読んでみて問題なく「A」だと確信できる論文は、残念ながらありませんでした。気が付いたことを書きます。◇良かったこと:独自な視点からテーマを選んで、先行研究をふまえて分析視角を設定し、フィールド・ワーク、インタビュー、参与観察を頑張った人がいた(4人)。◇反省点:①先行研究を見つけそれをじっくり読み、そのエッセンスを自分の言葉でまとめることが不十分な人が多かった。その結果、かなりの人にコピー・ペーストの部分が見られた(5人)。なかには、複数ページにわたり先行研究の丸写しと思われる論文もあり、口頭試験の時に修正を指摘しました(3人)。②春に配ったスタイル・ガイドにそった記述が出来ていない人があった(7人)。読んでいないと思われます(3人)!!!。実社会に出ればわかると思いますが、文章を書くにもそれぞれの組織・団体にルールがあるのです。③引用の付け方が不十分で(5人)、また(注)を使わない人もあった(7人)。④事実と意見の区別が曖昧な文章を書いた人(6人)⑤1つの文章が長すぎ、文脈が分りづらい論文があった(8人)。もっとシンプルで的確な文章を書いてください。◇皆さんへのお勧め:就職すれば、短いかもしれませんが報告書などを書くことがあると思います。そこで分かりやすい簡潔な文章を書くことは、大切なことだとわかると思います。同志社大学社会学科で勉強し、2万字以上の文章を書いたわけですから、文章や文字にはこだわりを持ってください。
キーワード1 地域住民
キーワード2 大学の都心回帰
キーワード3 大学の社会貢献
キーワード4 学生ボランティア
キーワード5