卒業論文詳細

学科社会学科 ゼミ教員名板垣 竜太 年度2017年度
タイトルK-POPファンにみるグラスルーツ型ネットワーク-韓流ブーム以後の日本社会-
内容 日本社会にはこれまで二回「韓流ブーム」が起こった。2004年を中心とする冬ソナブームと2010年を中心とするK-POPブームである。冬ソナブームに関しては学術的にも冬ソナファンに対する研究がおこなわれたが、その後再び韓流の消費者に関心が向けられることはなかった。本論文ではK-POPファンにインタビュー調査をおこなうことによって「韓流ブーム」以後の韓流ファン(=K-POPファン)の姿を明らかにし、それを「韓流ブーム」期の韓流ファンの姿と比較検討する形で分析し、さらにその分析結果が現在の日本社会において持つ意味を考察する。調査をおこなった結果、「韓流ブーム」後の韓流ファンは家族の影響や巨大なマスメディアによる上からもたらされる力ではなく、友人を介したグラスルーツ型ネットワークによって拡張していた。このような背景にはマスメディアから韓流を排斥した日本のメディア環境の変化があるが、そこには東日本大震災以後日本社会で勢いを増した排外主義の影響があった。
講評 「韓流」については10年以上の研究蓄積があるが、テレビ地上波からK-POPや韓流ドラマが顕著に排除されて以降も根強く拡大するK-POPファンの実態については、まだまとまった研究は出ていない。本論文は、マスメディアを介さず口コミとインターネットを通じて草の根で広まるK-POPファンの現状を明らかにするため、大学生のファンを男女ともにインタビュー調査し、かれらの行動と認識を分析しようとしたものである。決して周到な調査とはいえないし、やや文化評論的な色彩もあるが、ファンのジェンダー差、その草の根的活動の特徴、さらにはファンであることを公言することへの躊躇などの一端を解明した点は評価できる。
キーワード1 韓流ブーム
キーワード2 排外主義
キーワード3 グラスルーツ
キーワード4 テレビメディア
キーワード5