学科	社会学科	ゼミ教員名	河口　充勇	年度	2018年度
タイトル	地下アイドルオタクのコミュニティ ―趣味コミュニティの理論に基づいて―

内容

本論文は、新しいコミュニティとして注目されている趣味コミュニティを題材とし、その中でも地下アイドルのオタクコミュニティを取り上げ、趣味コミュニティの先行研究から実際のアイドルのイベントという場とインターネット上の交流の場であるTwitterがお互いが作用しあって、コミュニティを構成しているという仮説を立て、参与観察法とインタビュー法を使い、仮説を検証した。結果、この構造は概ね支持を得ることができた。ただ、オタクと初めて出会うときは現場で先にあってからTwitterを交換することより、Twitterを通じて知り合ったあとに現場で会うということが多いということがわかった。これより、趣味コミュニティ形成の1例として地下アイドルオタクのコミュニティを参考にすることができるようになった。一方で、こういったオタク的な趣味コミュニティの社会参加と公共性の獲得についてはよりつながりを明確にしたいという課題が残った。

講評	私が担当したゼミでは4名が卒業論文を提出した。研究テーマは、「SNSにおける『炎上』のメカニズム」、「アイドルオタクの『趣味コミュニティ』」、「道と町（地域社会）の相互作用」、「アニメ作品に表象される社会」といった、どれも社会学領域での先行研究が少ないものばかりであった。4名はそれぞれに“道なき道”を行く不安・苦労を経験しながら、真摯に対象と向き合い、粘り強く研究に取り組んだ。その結果として、“粗削り”であることは否めないものの、それぞれが単なる先行研究の塗り直しに終わらない、オリジナリティの高い論文になったと思う。論文完成にいたるまでの「もがき苦しみ」の経験が、彼・彼女らのこれからのキャリア活動にとって一つの糧になればと願う。

キーワード1	趣味コミュニティ
キーワード2	地下アイドル
キーワード3	オタク
キーワード4
キーワード5