内容 |
日本において「男は仕事、女は家庭Jという固定的性別役割分業意識に賛成する人数は減少している。しかし依然として日本の女性は社会進出どころか、家庭生活に満足する人は世界各国の中で低い水準である。NHK国民生活時間調査によると日本の家事をする時間は世界中では男女差が最も大きい国の一つである。では、日本において、こうした法律や人々の意識が実際の働き方や生き方に反映されない要因はこれまで多くの先行研究が行われてきたが、さらなる検討が必要とされている。また、既存の研究において、既婚夫婦に対する家事分担の研究が数多くされているが、現在の米婚者に対する研究が少ない。
そこで本研究では、家族システムが、家事分担に与える影響について検討する。具体的には、オルソンの家族円環モデルに基づき作成したFACESSKG・l6(version4)を用いて、きずな・かじとりの両次元が、将来の理想的な家事分担及び、将来の現実的な家事分担に与える影響を検討する。分析には、3大学で行った質問紙調査のデータ(N=l19)を用いる。分析の結果、円環モデルではきずな・かじとりの両次元とも中庸であれば将来の家事分担志向性が高いということが得られた。 |