学科 | 社会学科 | ゼミ教員名 | 藤本 昌代 | 年度 | 2019年度 |
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タイトル | 女性の労働促進という社会的風潮と女性の意識との間にギャップはあるのか |
内容 | 女性が働くことはもはや当たり前となった現代において、本稿では当人である女性たちの意識に焦点を当てた。そして、学生、社会人を調査対象とし、140名にアンケート調査を行った。アンケート調査の結果、3つのことが明らかになった。1つ目は、家事・育児を女性の方が男性より多く担っているものの、家事分担満足度は高い結果であったことである。これは、夫が家事・育児をできる範囲で手伝っていること、家事・育児は女性がするものという意識が根強く残っていること、大和礼子(1997)が論じた母性愛の3つが関係していると考察した。2つ目は、女性が働くことについて、新しい考え方の傾向があることである。社会全体として、「男性ほど仕事に重心を置かず、家事も育児もでき、趣味も楽しめる範囲で緩く自由に働く」という新しい傾向があることが分かった。3つ目は、ライフコース選択において、女子は母親の働き方の影響を受けているということである。 |
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講評 | 本研究は現代社会における女性の就労継続に関する若年層(学生・既婚者)への意識調査を行ったものである。具体的には政府は労働力として、女性の就業継続を支援しているが、当の若年層の人々は日々の家事・育児をしつつ、フルタイム労働で継続したいと考えているのか、1人のライフコースの中で育児期と子供が成長した後の働き方を選択的に考えたいのかという、政策上の建前と女性たちの本音を検討するということである。調査の結果は、概要に述べられている通りであるが、興味深かったのは、政策通りにずっと家事・育児と仕事を両立し続けたいという女性が多い中、半数近い学生は、育児期は仕事をペースダウンしたい、一旦、退職して、後に復職したいという回答であったことである。継続就業だけでなく、50年近い労働生活の中で、一時的にプライベートを重視しつつ、育児期が終わってから約30年間の継続就労に戻りたいと考えるしなやかな若者と企業、政府の固定的な考え方ギャップを発見できた研究になった。 |
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キーワード1 | 女性 |
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キーワード2 | 労働意識 |
キーワード3 | 性役割意識 |
キーワード4 | |
キーワード5 |