内容 |
本論文の目的は,リスク・コミュニケーションへの参加が,防災リテラシーの三つの尺度である「災害の理解,必要な備え,とっさの行動」の高まりに寄与しているのかを明らかにする為に検討することである. 分析には,2020年に九州大学が福岡県大野城市井の口地区と福岡県糸島市井原地区の住民を対象に行った質問紙調査(N=466)とSPSSを用いて調査及び分散分析,重回帰分析を行った. 結果として,第1回目リスク・コミュニケーションと第2回目リスク・コミュニケーションの両方に参加した人は,「脅威の理解5項目_平均得点」,「とっさの行動への自信5項目_平均得点」が向上したが,第1回目リスク・コミュニケーションと第2回目リスク・コミュニケーションのうちどちらか一方にしか参加していなかった人の防災リテラシー3項目は特に上昇しなかったという事が判明した. また,は,第1回目リスク・コミュニケーションと第2回目リスク・コミュニケーションの両方に参加した人の「脅威の理解5項目_平均得点」,「とっさの行動への自信5項目_平均得点」は上昇したが,「そなえの自覚5項目_平均得点」は上昇しなかったという点も明らかとなった. |