内容 |
本研究は、若者と年配の人との関わりの実態についてインタビュー調査を用いて、実証的に明らかにしようと試みるものである。社会構造の急速な変化に伴って、世代によってものの考え方や捉え方は大きく異なっている。10年、20年前は正しいと考えられてきたことが現在では間違っているとされることもある。さらに、日本社会は人口の4分の1以上が65歳以上の高齢者が占める超高齢社会に突入したとされ、年代別で見たときに世代人口は大きく偏りがみられる。このような社会背景の中で異なる世代同士がどのように関わりを持っているかを明らかにし、軋轢が生まれている場合にはその原因を探った。本研究では非構造化インタビューによる質的調査を行った。そしてインタビューのなかで得られたエピソードを記録し、そのデータに基づいてコレスポンデンス分析を行った。コレスポンデンス分析の結果、年配者と若者の間で発生するトラブルの傾向とその要因について明らかになった。年配者が若者に対して激怒する事例に関しては、若者の非に対して年配者が腹を立て、感情を抑えられなくなるという傾向が見られた。またコミュニケーションに関しては、若者は相互的なコミュニケーションを求めているのに対し、年配者は会話の意図や目的が意識されず、会話という行為自体が目的化しているといえる傾向がみられた。 |