卒業論文詳細

学科教育文化学科 ゼミ教員名沖田 行司 年度2015年度
タイトル渋沢栄一の近代教育思想における一考察 -商業教育を中心として-
内容 渋沢栄一は、天保に生まれ、開国・明治維新という激動の時代を生き抜き、明治・大正・昭和を通して日本の近代化・経済発展の基盤に大きく関与した人物である。晩年、『論語と算盤』を出版し、道徳と経済の合一という独自の思想を展開し、数多くの公益事業に携わった。公益の追及者や時代の児、明治期のビジネスリーダーと称される彼の功績を公益事業の中でも教育的実践に焦点を当てる。栄一が目指した経済発展・近代像をより明確にし、彼の道徳経済合一主義という思想がいかに事業に反映されたのかを明らかにしていく。 近代化が急速に進んでいる現代において、栄一の目指した道徳と経済の合一という独自の視点から学べることは多い。私利私欲を追求するという考えから商業者が蔑まれる世の中を良しとせず、日本の経済発展には商業こそが必要であり、元来信用から成り立つ商業者の身分向上のために尽力する。また、徳育に重きを置いた私学教育を目指した新島とも深い関わりを持つ。これから社会に出る一個人としてこれからの徳育を考えたい。
講評 【ゼミ全体への講評】
本年は卒論の取り組みが早く、各自計画的に論文作成に従事したため、
比較的スムーズに提出日を迎えた。卒論で一番注意したのは剽窃である。
教育史ゼミなので、基本的に原典史料を読みそれに解釈を加えるため、
独自の解釈が生まれてくる。たとえそれが少々幼稚な解釈であっても、
それなりに評価できるものであった。体育会に所属しているゼミ生が多
かったが、特別扱いは一切することはなかった。しかし15年間の自己体験
に対応するテーマを選んだこともあって、結果的には個性的な論文を書き
上げることができた。論文作成を通して、ゼミ生の個人個人と対話ができた
ことは指導する側にとっても意味のあることであった。論文作成とリーグ戦と
重なった諸君は本当にどちらも良く頑張った。またゼミの運営においても、
体育会に所属するゼミ生が大きな役割を果たしたことを付記しておきたい。
キーワード1 渋沢栄一
キーワード2 論語と算盤
キーワード3 近代化
キーワード4 商業
キーワード5 公益