内容 |
本論文では、ファッション領域における若者の「サステナビリティ意識と行動」及びその可能性について提示している。衣食住の1つであり、私たちの生活に欠かすことのできない衣服を製造・流通するファッション産業は、そのビジネスモデルがゆえに環境破壊や動物搾取など様々な問題を抱えている。特に環境への影響は大きく、製造にかかるエネルギー使用量やライフサイクルの短さなどから「環境負荷が大きい産業」と指摘され、国際的な課題となっている。これに対し環境省は「サステナブルファッション」を提唱しており、現在私たち1人ひとりの「サステナブル」な意識や行動が必要とされている。その一方で、環境負荷を助長し問題視されている「ファストファッション」は、社会問題への関心が高いとされる若者世代の間で支持を得ている。こうした現状から、ファッション領域における若者のサステナビリティ意識は低いということを推察し、アパレル企業の取り組み及び質的調査の結果などから考察したところ、企業側の取り組みと消費者側の「サステナブル」な意識や消費行動が上手く噛み合っていないということがうかがえた。この結果を踏まえ、「サステナブルファッション」を促進するために、企業側と消費者側はそれぞれ何をするべきなのか、特に後者に含まれる「若者」の存在に着目し、筆者自身の見解を論述している。 |